医療情報男の日記

病院で医療情報システムの保守運用の仕事をしています。

「 SHIP 医療の現場を支え続けるシップヘルスケアグループ成長の軌跡」読了

シップヘルスケアホールディングスの創業者、古川國久氏を知る上で欠かせない一冊です。
「この自叙伝ではない。またシップの社史でもない。」と帯にあるように、書籍のジャンルとしてひとつに絞るのが難しいのですが・・・。

古川氏は、関西を中心に、医療業界で多大な活躍をされているスゴ腕商社マンで、病院設備導入のトータルプロデュースというビジネスモデルを確立した方でもあります。

生い立ちから、学生、駆け出しの新入社員時代までの青春時代は、戦後という時期も相まってか、決して順風満帆とはいかなかったようです。

しかし、20代、30代の商社マン時代では、医療機関へのサプライ、コンサルティングサービスなどでメキメキと頭角を現し、当時最年少の40歳で会社役員に就任しています。

そして、独立開業し、シップが誕生。その後の話は、古川氏個人よりもシップヘルスケア事業の話が多くなります。

医療機器のリース契約サービスをいち早く取り入れたり、90年代前半ごろにはレントゲンフィルムのデジタル化の波を察知し、関連会社の再編成を図ったりと、先見の明が垣間見えるエピソードも。

シップヘルスケアグループといえば東証一部上場の大企業ですが、1992年の設立からわずか15年でそれを成し遂げたところが驚きです。

以前から東証一部上場後のここの株価をチェックしていたのですが、2019年11月現在まで、一時的な下落はあったものの、ここ数年は右肩上がり。

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なぜ、ここまで急成長ができたのが疑問に思っていたところ、ネットで古川元社長のインタビュー記事を見つけ、この本にたどり着きました。
そして読んでみて、なるほど確かにこの会社は発展すべくして発展したのだなと、納得しました。


「至誠惻怛(しせいそくだつ)」


幕末の儒学者山田方谷氏が残した言葉で、まごころ(至誠)と、いたみ悲しむ心(惻怛)があれば、物事を正しい方向へと運ぶことができる、という意味です。

古川氏はこの言葉を座右の銘とし、商社勤務時代もシップHD立ち上げ後も一貫して、それを実践してきたとのこと。

この言葉通り、お客さんや協力会社へ誠意を持って事に当たれば、たとえ一時的には不利益を被ったとしても、結果的には大きな利益となって帰ってくる、ということを教えてもらいました。

SHIP 医療の現場を支え続けるシップヘルスケアグループ成長の軌跡

SHIP 医療の現場を支え続けるシップヘルスケアグループ成長の軌跡