医療情報男の日記

病院で医療情報システムの保守運用の仕事をしています。

新年から常駐先が変わります

新年早々、異動になります。


2017年がスタートしました。

年明け早々、僕は異動となります。
1月10日が、今の常駐先の病院の最終日。1月11日から、新しい客先に常駐です。

異動の話なんて、あるとしても年度末だろうと思っていましたが、まさかこんな年明けが異動のタイミングとは思いませんでした…。

まあでも、前任者からの引き継ぎや、新年度からの新規常駐案件のことを考えると、こういうこともあり得る訳ですね。

振り返ってみれば、今の客先に常駐してから、いつの間にか二年と八ヶ月も経っていました。

新たな環境でも、やはり病院情報システムの保守運用がメインになります。
良い機会なので、この二年と八ヶ月で良かったこと、逆に反省すべきことをリストアップしてみました。

良かったこと

  • プログラミングの実務が経験できたこと
  • 医事会計や多くの部門システムに触れられたこと
  • FileMakerの作成やメンテナンスを経験できたこと
  • 資格試験の勉強が以前より苦しくなくなったこと

反省すべきこと

  • 仕事を抱えすぎたこと
  • 医事課的な業務に興味が持てなかったこと
  • 自分の評価を上げたいという意欲がなくなったこと


良かったこと、反省すべきこと、それぞれの詳細を、下記に述べていきます。




良かったこと

プログラミングの実務が経験できたこと

最初の常駐先病院では、自社が開発したVB6の業務アプリケーションが複数稼働していました。
電子カルテや部門システムでは対応できない、病院独自の業務仕様に合わせた、スキマ産業的な小規模なプログラムが、いくつもリリースされてきました。
そして、常駐してすぐ、これらVB6のプログラムのメンテンスを任されました。
当初は、全くプログラミングの知識がく、ネットで調べながら悪戦苦闘し、少しずつソースコードを修正していくしかありませんでした。
そんななかでも、システム仕様やデータベースのテーブル定義・マスタ定義などを調べていくことで、段々とメンテナンス作業の時間が短縮していき、いつの間にか、VB6のコードを読み解くことが苦手ではなくなっていました。
VB6というのは、今の時代ではレガシーなプログラミング言語ですが、初心者がプログラミングを学ぶという意味では、とても相性の良い言語だったと思います。
VB6に触れた経験は、後にExcelVBAを作成するうえでとても役に立ちました。


電子カルテのメンテナンス全般を学んだこと

業界でもトップのF社の電子カルテシステムが、前の病院では採用されていました。そして今の病院でも、同じF社電子カルテシステムが稼働しています。これまで電子カルテの運用保守で、いろいろな事例を経験できましたので、その経験が今の病院でも活かせるのではないかと思います。
おそらく、これからもF社の電子カルテはシェアを拡大していくことと思います。会社の契約病院の多くもF社なので、今後また常駐先が変わったとしても、またF社の電子カルテである確率が高く、「潰しがきく」のではないかと。
(逆にF社の経験しかないことで、視野が狭くなる可能性はありますが・・・)

医事会計や多くの部門システムに触れられたこと

電子カルテだけでなく、医事会計システムも、運用保守をしていました。医事会計システムもやはり業界トップのF社。電子カルテと医事会計システムが同じベンダーという、よくあるパターンです。
医事会計システムを触ることで、診療報酬制度のことも否応なしに勉強することとなり、結果的に医事課業務の知識も得ることができたのです。
部門システムも同様、メンテナンスすることで、部門の業務も勉強できました。

FileMakerの作成やメンテナンスを経験できたこと

医療業界では有名なFileMakerですが、最初の常駐先病院に配属されるまで、全く触ったことがありませんでした。
実際に触ってみると、ACCESSよりも理解しやすく、初心者でも簡単にプログラムを作れてしまう、素晴らしいアプリケーションでした。
実際に僕も、新規で作成させてもらう機会があり、病院の職員さんの業務をサポートするプログラムをリリースすることができて、良い経験となりました。
FileMakerは、医師の利用者・作成者が多いです。事実、最初の常駐先病院内でも、医師が作ったり持ち込んだりしたプログラムがいくつも稼働しています。
今後も、病院常駐している限り、FileMakerのメンテナンス案件も、携わることになるでしょう。

資格試験の勉強が以前より苦しくなくなったこと

この二年と八ヶ月で、医療情報技師、基本情報技術者の資格を取得しました。
平日の通勤時間、休日の日中を使い、少しずつ勉強していくのですが、働きながら勉強時間を捻出するのは易しいことではありません。スマホやネットの誘惑もあります。
そんななかでも、何ヶ月も前からスケジュールを立て、「勉強時間を守る」ことが、多少なりともできるようになりました。
ただ、勉強の質を良くするには、まだまだ課題が残されています。


反省すべきこと

仕事を抱えすぎたこと

もともと頼まれごとを断るのが苦手な性分です。システム課には、院内の様々な問い合わせが舞い込んでくるのですが、中には全く個人的なものもあったり、全く急ぎではない納期無期限のものもあったり…。そういう問い合わせは断るのが普通なのですが、つい良い顔をしたいがために、引き受けてしまうのです…。
また、仕事を他の人に依頼するのも苦手なので、仕事が溜まっていく一方なのです。
最近になって、ようやくそれらがコントロールできるようになりました。周りの職員さんに助けを求めることへの抵抗感がなくなり、仕事を引き取ってもらえることも多くなりました。断るべき案件は断る、という当たり前のことも、ようやく今になってでき始めました。

医事課的な業務に興味が持てなかったこと

最初の一年目は、とにかく自由になんでもチャレンジさせてもらえて、楽しく仕事できました。
二年目に、DPCのデータ作成提出物業務、三年目には、レセプトのデータ更新処理、レセプト印刷、オンラインチェックとエラー配布などの業務を任され、時間の余裕が全くなくなってしまったのです。
通常業務である、システム運用保守に加え、これらの医事課的な業務をこなすことは、かなり辛いものがありました。
DPCやレセプトについては診療報酬制度の知識が求められるため、素人の僕は、調べながら少しずつ作業をこなす必要があり、当時の残業時間も相当なものでした。
しかし、自社と客先で取り交わした契約書のなかで、契約業務としてDPCのとレセプトの業務が記載されているため、この業務からは逃げることができません。
そうして結局、最後まで、「やらされてる感」を払拭できませんでした。
三年目の最初には、基本情報技術者を取得したこともあり、「システム課で唯一の基本情報技術者持ちの自分が、なんでこんな医事課のような仕事をやらないといけないんだ」という、過剰な自意識と、勝手な被害者意識を抱いてしまったことも、正直ありました。
結局逃げられない業務ならば、いっそ考え方を変えて、「これはチャンスだ」と思うべきでした。
DPCやレセプトのデータ作成の過程で、毎月のエラー件数や要確認の件数を集計し、医事課に改善提案を出すことも出来たはずです。
そういった意識を持って業務にあたっていれば、もっとこの2つの業務を好きになれたかもしれません。

システム開発の技術力向上がほんの僅かしかなかったこと

VB6の業務システムのメンテナンスで学んだことは多いのですが、新規開発案件はほとんど経験できませんでした。
二年目から三年目にかけて、作業依頼書をシステム化するという新規開発の案件を任され、個人的にプログラムをコツコツ作成していました。しかし、この作業依頼書のシステム化は、理由あって、途中で頓挫してしまったのです。

ijidansi.hateblo.jp

まともなプログラムも作れず、設計書や仕様書も満足に書けない素人が、いきなり院内全体に向けての業務システムをリリースしようということが、そもそも間違いでした・・・。
今後は、客先から新規開発案件をいただいたときは、すべて本社の開発担当に依頼します。
システム運用保守の担当者が、新規システム開発のスキルを磨くには、環境的に難しいものがありますからね・・・。

自分の評価を上げたいという意欲がなくなったこと

システム運用保守という仕事は、モチベーションを維持するのが難しい仕事だと、最近になって感じるようになりました。
病院の他部門からみると、院内のシステムは正常に稼働していて当たり前のこと。ひとたびシステム障害があると、決まって「システム課は何をやってたんだ!」とお叱りを喰らう羽目に…。
確かに、本来は障害なんてあってはいけないものという事は分かります。しかし、こちらも、深夜や土日祝日にメンテナンスしたりと、見えないところで正常稼働を維持するための作業を行っているのです。
レセプトやDPCの提出業務でも然り。提出期日までに、頑張って一人でエラーや診療点数不備を直して、ようやく正しいデータが出来上がって、なんとか提出まで漕ぎ着けても、何もプラス評価はされないわけです。
正しい成果を出して当たり前、少しでもトラブルやミスがあると、そこばかり追求されてしまいます。
そんな状況の中で、僕は段々と保守的になっていき、仕事の中でチャレンジしたいことも見いだせず、、業務の改善提案などもすっかりしなくなってしまいました。


最初の常駐先で学んだ最も重要なことが、「お客さんと自社との距離感を常に意識する」ということでした。
最初のうちは、お客さんも自社も関係なく、「病院の課題を共に解決していく仲間」という意識でした。しかし、あるトラブルが発生した時に、自社のみで対応しろ、という指示がお客さんから下されました。そこで初めて、「所詮は業務請負契約。明確に上下関係があるのだ」と気付いたのです。
表面上は顧客も請負業者も関係なく一緒に仕事をしているようでも、やはりどこかで線引きしなければなりません。
しかしその線引きも、ガチガチに引いてしまってはもちろん駄目です。自社の都合ばかり考えていては、お客さんからの信頼は得られませんし。
理想論かもしれませんが、「お客さんも自社も損をしない」仕事を目指したいと思っています。

また、自分の業務実績を見える化して、お客さんからの評価をいただけるような活動も、怠らないようにしなければいけません。


最後に


最初の常駐先での二年と八ヶ月、長いようで短いものでした。

他の常駐先に比べ、業務範囲も広く、普通であれば医事課や診療情報管理課が行うような業務も任され、多忙な日々を過ごしました。

しかし、そのぶん他の常駐先よりも、多くの知識が習得出来たので、今にして思えば、有り難いことだったと思います。

新しい客先病院でも、これまでの二年八ヶ月の経験を活かして頑張ります。