【仕事】院内システム担当となってはや二年。これまでの振り返りと今後の取組み
早いもので、病院システム保守運用の業務を始めて二年が経過しました。
- 大きなミス
- DPCデータ提出業務
- レセプト業務
- 増え続ける残案件
- 顧客からの信頼失墜に悩む
- とにかくミスをなくす
- 断る力をつける
- 現場のソリューションをICTで解決する
- リーダーのサポート
充実した一年目
- 様々な開発言語に触れる
最初に触ったプログラムはVB6でした。
院内の隙間産業的なシステムがあり、それがVB6で動いています。もうかれこれ15年ほどでしょうか。これのメンテナンスが僕にあてがわれた最初の業務でした。最初は右も左もわからず、ソースコードを眺めてはネットで調べる、そんな日々でした。
5ヶ月、6ヶ月も経つと、「変数」「引数」「クラス」のようなカテゴリが、おぼろげながら理解できるようになり、各現場からの修正依頼もなんとかこなすことができるようになりました。
幸いなことにこのVB6という言語は、僕のような全くの初心者でもとっつきやすい言語。見よう見真似で、ソースコード修正くらいは自分一人でも対応出来るようになりました。
- FileMaker取材と院内講習会
常駐先の病院は、500床以上の大病院。FileMakerのライセンス数もそれなりに大規模です。そのおかげて、FileMaker社からの取材依頼があり、FileMaker使用事例として大々的にネットで公開されることになりました!
これは院内にとっても功績だったと思います。
もうひとつ大きなイベントもありました。ここの病院のライセンス数のおかげで、FileMaker関連会社からの院内講習会を無償でやってもらう事ができたのです。
会議室では毎回ほぼ満席。院内のFileMaker需要がそれだけ大きいという事がわかります。皆のFileMakerスキルも向上し、最終的にテーブルのリレーションやポータル画面の作成なども出来るようになっていました。
- 院内電子カルテ講習会
院内の電子カルテ利用者向けに講習会を開きました。年末ということで十数人しか集まりませんでしたが・・・。
自分で何かを発表するということは、自分自身の勉強にもなるし、成長につながります。それを今回の勉強会では実感できました。
- 徐々に信頼関係が生まれる
配属1年目ということで、システム課の固定電話の電話番を任されていました。
最初は固定電話にかけてきた人が、だんだん僕のPHSのほうにかけてくるようになり、いつの間にかその人の専属になっていた、ということがよくありましたね。
わざわざ僕を選んで電話してくるのは、それだけ頼りにしていただいているということ。こちらもその人の期待に応えたいので、よりいっそう頑張れるというものです。
苦しんだ二年目
- 大きなミス
とある部門システムの障害があり、それを対応した時の話です。
ある夜、部門ベンダーと電話でやり取りしながら作業をしていました。部門システムが動いているクライアント端末の操作で、保存先サーバを変えたのですが…。
それがいけなかった…
その部門サーバの指定先ドライブは、クライアント端末からアクセスがあると自分で持っていたデータを消し込んでいくドライブだったのです。そのため、今回の設定のせいで元々あったデータがどんどん削除されていったのです。
しかもその障害に気がついたのは4日後…。バックアップデータはあったものの、完全に復旧するのは不可能な状態でした。
結局、会社の上司や社長も謝罪のため来院することになってしまうことになり…。とにかく相当に重たい事件となったのです。
このミスにより、システム課内はもちろん、会社、診療部門からの信用を一挙に失い、精神的にかなりまいってしまいました。
良かれと思ってやったことが、こんな結果になってしまうとは…。
この業務の中で、最初にして最大の失敗と言えます。
- DPCデータ提出業務
2年目ということで、先輩からDPC関連の業務を引き継ぎました。
これがまた相当ボリュームのある業務でして…。
(DPCについての簡単な説明を過去に書いています ↓コチラ)
主な業務は、三ヶ月に一度の厚労省提出用DPCデータ作成、三ヶ月に一度の再提出用DPCデータ作成(こちらも厚労省行き)、毎月の調査機関へのDPCデータ作成と提出…
といったところです。
最後の毎月提出業務は、実はそれほど苦ではなく、むしろ三ヶ月毎に来る二つの業務のほうが苦しいのです。
厚労省へDPCデータを提出するにあたり、厚労省が指定する提出用データに変換する必要があります。
その提出用データは、これも同じく厚労省が用意した専用チェックツールに各DPCデータを流し、そこで合格してはじめて生成されるのです。
つまり、エラーが残っていると提出用データは作れません。
このエラーを潰すのがなかなか面倒。
チェックツールで引っかかったエラーのうち、自分で直せる範囲ならその場で潰します。しかし、病棟担当者にお願いしないと直せないものもあり、それが直るまでチェックツールを流すのを待たなければなりません。それに病棟担当者が直してくれたデータも、次のチェックツールにかけた時またエラーになったりもします。そしてまた担当者へ返す…。このようなトライ&エラーを繰り返し、ようやくDPCデータが完成します。
たまに、エラーを吐かず一発で提出用データが完成するときもありますが、それでもやはり拘束時間の長い作業なのは変わりません。
- レセプト業務
こちらも同じ先輩から引き継いだ業務です。レセプト関連すべて引き継がせてもらったわけでないのですが、8割くらいの作業量はもらったと思います。
いまのところ、この業務が最も負担が大きく、苦しい業務ですね。
月末の外来紙レセプト出力(15000枚!)、
月初の入院レセプト出力、
オンライン請求システムでのASPチェック(夜18時にならないと作業が始められない…)、
レセ担当へレセプトエラー箇所の修正依頼(直してくれない事もある!)、
レセプトオンライン請求日に残エラーの保留処理、
オンライン請求後の各種帳票作成、
などなど…。とにかくやることが多い…。
本来はシステム運用・保守がメインの業務のはずですが、今の常駐先病院では、伝統的にシステム課がレセプト業務の一端を担うことになっているのです。
正直、なんでこんな医事課でできる業務をウチがやってんだろ…、という気持ちがあります。
そうは言っても、任せられた業務である以上は、やらないわけにはいきません。
本当はやりたくなくてもね…。
- 増え続ける残案件
- 顧客からの信頼失墜に悩む
三年目の展開について
さすがにこのままではまずい・・・。ということで、今年度の目標として以下の3つをあげ、実践していきます。
- とにかくミスをなくす
明らかに今は自分のキャパシティを超えた仕事量。よく確認不足などでミスを出しています。特にレセプト業務などの定例業務でうっかりミスが目立っています。
そこで、以下の3つを徹底することとします。
「チェックリストをつくる」
定例業務は「いつも同じことをやる」から定例業務なのであって、作業の順番を守り、逐次確認していけばミスはなくせるはず。
面倒なようですが、その都度チェックをする習慣をつけないと。
「月間スケジュールを把握する」
毎月の定例業務の発生日、問い合わせいただいている案件の納期、会議や打ち合わせ、院内・院外勉強会、など、その月のイベント全てを書き出します。
1ヶ月のなかで、ここは繁忙期、ここは大きなイベントがない週、などが把握できるはずです。
これまで直感で決めていた依頼者との納期の約束を、「今月はこの週にこれがあって、月末までの提出は無理だな・・・。来月の第一週目で提示してみよう!」というように納期コントロールしていこうと思います。
「その日1日のタイムテーブルを作り、その通りに動く」
本当に繁忙期は、同時にいくつもの仕事を同時にこなす「マスチタスク」的な行動をとっていました。しかし自分の能力ではマルチタスクなんて到底ムリだったのです。
たとえ時間はかかろうと、ミスの許されない業務については「シングルタスク」。その業務に専念すること。
1日のタイムテーブルを作り、「この日のこの時間だけは、絶対にこれをやる!」と決めてしまうのです。もし問い合わせがあったとしても、よっぽどの緊急じゃない限りは、後回しにさせていただきます。依頼してくれた人には申し訳ないのですが、こちらもミスをしたくはないので。
- 断る力をつける
今年度こそ、いろいろ断っていこうと思います。
個人の持ち込みPCは絶対に手出ししない。
病院情報システム以外のシステムの面倒は見ない。
各現場でできる作業は、「そちらでやってください」と言う。
・・・まあ、簡単にできれば苦労はしませんが。
- 現場のソリューションをICTで解決する
システム課の掲げる命題のひとつです。そのためにも情報処理技術の勉強は怠らないようにします。
- リーダーのサポート
リーダーが院内・院外で新しい活動が出来るよう、身軽な状態にしなければいけません。そのためにも自分がもっとリーダーの業務を引き継がないと。
今年度はもっと定期的にリーダーとミーティングをし、その辺の業務引き継ぎをしっかりしていこうと思います。
こうして振り返ると、最初の1年目と2年目の落差がすごいですね。
この2年目のような悲惨な目は、もうこりごりです。
そうならないためにも、絶対にこの3年目の目標は守っていかなければなりませんね。
僕は今の仕事が好きです。
だからこそ、目の前の課題から逃げず、真剣に取り組んでいきたいと思います。