第1回中国医療情報技師会に参加しました。
8月27日土曜日、岡山の川崎医科大学附属病院で、中国医療情報技師会が開催され、参加しました。
これまでは地元の研修会しか参加していませんでしたが、複数の県にまたがる(四国の人も来ていたようです)規模の学会は初でした。
午前中はレセプト処理業務があったため、会場に到着した頃には、最初の5演題が終わっており、席もほぼ満席状態。なんとか座れてよかった・・・。
最後は、広島大学の津久間先生による、1時間を越す大規模な演題でした。
これからの医療情報技師が果たすべき役割は何かを、ときにユーモラスに、ときに辛辣に、会場の皆さんに熱弁を振るっておられました。
医療情報技師について
企業所属の医療情報技師という視点では、今回の講師の方々の演題はうなずける点が多々ありました。
お客様である医療機関へ、医療情報技師としてどのような貢献ができるのか。
それは資格を習得した後も考え続けなければならない課題です。
「医学・医療」、「医療情報システム」、「情報処理」の3つの試験科目に合格し、資格証明書をもらうことは、ゴールではなく、むしろスタートなのだと思います。
さらに上級医療情報技師を目指す人はもちろん、医療情報技師の取得後は、いろいろな研修会に参加し、時には自身が演者となって発表し、技師ポイントを集めていかなければ、5年後に失効してしまいます。(5年後に受験し直す手もありますが・・・) 常に自己研鑚し、知識向上を促すシステムになっているわけです。
今回の演題で、同じ医療系SEの方が演者で発表されていました。
そのなかで、次の言葉が印象に残っています。
「医療機関が、企業の医療情報技師に求める役割としては、「知識・理解力」「調整・提案力」を持ったSEによるサポートである。」
僕は「知識・理解力」も、「調整・提案力」も、まだまだスキル不足だと実感しています。それでも、顧客先に常駐している院内SEという立場上、必ず求められるスキルです。
「知識・理解力」を強化する
病院業務の知識の習得は、実際にその業務に携わっている人に聞くのがいちばんの近道だと思います。
診療部門の業務となると、全くわからないことも未だにあります。
さらにその部門システムのこととなると、ブラックボックスが多く、こちらでは何も手を出せないケースもあります。
そのような場合もやはり、素直に部門担当者に訊くか、部門ベンダーに訊くのがいちばんです。
すべての院内システムに精通するのは不可能ですから。
病院業務については、「わからないことは分かる人に訊く」ができますが、情報処理技術となると、そうはいきません。
逆に院内から毎日いろんな問合せがあり、ググって調べながら対応、ということも多いです。
同じ課の人に訊けば良い話かも知れませんが、自分で調べて答えを導き出すことは、それが知識として定着することにつながるはずなので、「まずは自分で調べてみる」というアプローチは大切だと思います。
「調整・提案力」を強化する
業務委託として現場に入らせていただいているからには、通常のシステム保守・運用業務のほかに、新たな提案や問題解決へのサポートもできるようにならねば、と考えています。(通常の業務だけで手一杯なのが現状ですが・・・)
「他部門・他職種の利害関係を超え、俯瞰的な視野で物事をとらえ、常に全体最適化を考えて行動できる人材を期待している」と、最後の講演で津久間先生がおっしゃっていました。
また、津久間先生は、医療情報技師育成部会の前部会長である、内藤先生が示された「医療情報技師の3C(Communication、Collaboration、Coordination)」の重要性を説いています。
Communication = 友好的な態度で、他者を理解・許容する
Collaboration = 組織の枠にとらわれず、協力体制を築く
Coordination = 他部門・他職種・他企業との調整・折衝を経て、全体最適化を目指す
部門や職種が違うと、どうしても他人事のように物事をとらえがちです。
しかし、医療情報技師、院内でシステム担当という立場ならば特に、三次元的な視野で組織全体を俯瞰し、院内全体の問題と捉え、解決していかなければいけません。
これらをすぐに実行に移すのは容易ではありません。しかし、「医療情報技師の3C」の理念を忘れず、日々の仕事で少しずつ3Cを実践していきたいと思います。